Wednesday, August 31, 2011

頂き物

本当は一つ一つ丁寧にご紹介したいのですが、余裕がなくて、すみません。

原大地『牧神の午後――マラルメを読もう』、慶應義塾大学教養研究センター選書、2011年5月。


金森修・近藤和敬(かずのり)・森元斎(もとなお)責任編集『VOL 05 特集:エピステモロジー――知の未来のために』、2011年6月。

宇野重規・伊達聖伸・髙山裕二編『社会統合と宗教的なもの――19世紀フランスの経験』、白水社、2011年7月。

『ヴァレリー集成III  〈詩学〉の探究』、田上竜也・森本淳生編訳、筑摩書房、2011年8月。

どれも、率直に言ってすごいお仕事ばかりです。最初のにしても「入門書」とあなどるなかれ。真の学識というのはこういう形でも現れるのですね。二冊目・三冊目は、それぞれ渋い企画を実現させています。私は流行物などよりとても好きです。最後の一冊も力業。訳注一つに研鑚が現れています。

Tuesday, August 30, 2011

セミネール新刊

ちょっと前にミレールがラジオに出て、最近出した自分のラカン伝について喋っていましたね。

そこでちらっともうすぐセミネール最新刊が出ると言ってたのがこれ

私は愛や性についての論を制度に即して語りたいので、「結婚」論ということになるのだけど、
これはこれで読みたい。

ちなみに、しばらく前にバディウ&カッサンがこういうのを出してましたね。
この手の新刊は必ず誰かが紹介してくれるので、別に私がやらなくてもいいようなものですが、気まぐれにご紹介。

Monday, August 29, 2011

キリスト教美術入門

毎日少しずつ読み進めて、ようやく読み終わった。

秦剛平(はた・ごうへい)
『美術で読み解く 聖母マリアとキリスト教伝説』、ちくま学芸文庫、2009年12月。2011年6月15日読了。
『美術で読み解く 旧約聖書の真実』、ちくま学芸文庫、2009年11月。2011年8月9日読了。
『美術で読み解く 新約聖書の真実』、ちくま学芸文庫、2009年10月。2001年8月29日読了。

個人的に一番おもしろかった(お勉強になった)のは『聖母マリア~』。次が『旧約』。それでも彼の強烈な(学者にありがちな)「個性」にはいささか辟易する。彼の言う「真実」――「キリスト教の隠された秘密」「名画の裏に隠されたキリスト教の衝撃の秘密」――は、裏表紙を読んで予想できる類のもの。収穫はもっと末端の具体的な事柄。

残念なのは、これだけ絵を見せていながら、まったく「絵を観ている」気になれないこと。単なる聖書物語の図解になってしまっており、「美術で読み解く」ことになっていない。神が描かれるべき場所に、三重冠を被った教皇が描かれるという醜悪な伝統が中世に出来上がってきた、などなど、一つ一つの絵をじっくり観なくても分かるようなことばかり。

したがって、この三冊の一番正しい読み方は、『新約聖書』『旧約聖書』および聖書外典のストーリーを、有名な絵とともに追いかけられるという入門書的な読み方だと思う。この場面の絵ならこれ、といった「おさらい」にはきわめて有益。

それから、いろいろな重要著作の翻訳家でもあられるらしく、ユダヤ史家ヨセフスや教会史家エウセビオスなどの名前に親近感を持てるようになったのもよかった。

キリスト教絵画をさらっと復習したいという人はご一読ください。

Sunday, August 28, 2011

ザンバルビエーリ氏講演会「イタリアにおけるライシテ」

みなさま、

 20世紀教会史がご専門のアンニーバレ・ザンバルビエーリ氏(イタリア国立パヴィア大学教授、人文学部長)をお迎えして、以下のよう に講演会を開催いたします。
 ザンバルビエーリ氏の専門はローマ教会総本山のイタリアですが、国家と宗教の関係、ライシテの問題を、フランスの歴史や状況との比較 の観点を交えながら、話していただく予定です。

 日にちの迫ったところでのお知らせで恐縮ですが、ふるってご参加ください。
 また関心のあるお知り合いにお知らせいただければ、幸甚です。

 増田 一夫


アンニバーレ・ザンバルビエーリ氏講演会 : 「イタリアにおけるライシテ」

  ・ 日時:8月31日(水)16時~
  ・ 場所:東京大学駒場キャンパスI, 18号館コラボレーションルーム2
      地図 : http://www.c.u-tokyo.ac.jp/access/index.html

  ・ 使用言語:フランス語(日本語逐次通 訳あり)
  ・ 入場無料・事前登録不要

主催:科学研究費・基盤研究B「共生の宗教へ むけて――政教分離の諸相とイスラーム的視点をめぐる地域文化研究」

Sunday, August 07, 2011

まちづくりの哲学

皆様

 こんばんは、立教大学の河野哲也です。

 来る913日に「代官山ステキな街づくり協議会」の方々に招かれて、以下のような講演会を行う予定です。生態学的現象学

の立場をまちづくりにまで結び合わせようとする試みです。私もワクワクして当日を待っています。

 皆様もご都合が合えば、ぜひ、ご参加ください。添付ファイルもご覧下さい。HPは以下のようです。

http://www.clubhillside.jp/seminar/machi110913/

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まちづくりの哲学 ― 場所・幸福・関係性 第2回 〈まちは幸福をアフォードするか?〉 

河野哲也(哲学者/立教大学教授)

代官山で「まちづくり」に取り組んできた「代官山ステキなまちづくり協議会(代スキ会)」が、多様な分野の第一線の有識者を迎えて考えるセミナー・シリーズ。

2回のゲストは、哲学者・河野哲也さんです。

「身体とは無意識の心のこと」J.J.ギブソンのラジカルな解釈による河野氏の生態学的哲学は、私たちの主観による環境の解釈を根底から覆します。「価値は客観的に環境に実在する」。私たちが主観的に与えていると思っている環境の価値は、すでにそこに実在しているというのです。「まち」の中に実在する価値とは何なのでしょう?「まちづくり」は、価値を「まち」に刻印することが出来るのでしょうか?生態学的視座から「まちづくり」の新たな可能性を探ります。

出演:河野哲也(哲学者/立教大学教授)

日時:2011913日(火) 19:00-20:30

会場:ヒルサイドバンケット(東京都渋谷区猿楽町30-2

定員:50

会費:一般2,000円 クラブヒルサイド会員1,000

メール予約

氏名、連絡先、参加人数を明記の上、「9/13まちづくり参加希望」の件名でE-MAILを送信して

ください。折り返し、予約確認メールをお送りいたします。

主催:代官山ステキな街づくり協議会(代スキ会)

協力:クラブヒルサイド

お申し込み・お問い合わせ

予約・お問い合わせ

ヒルサイドインフォメーション

TEL: 03-5489-3705

FAX: 03-5489-1269

E-MAIL : mail info@hillsideterrace.com

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 このメールはご自由に転送されて下さい。お知り合いの方にお伝え

下されば幸いです。

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河野 哲也 (コウノ テツヤ)

立教大学文学部教育学科

教授

ホームページが新しくなりました。

http://tetsuyakono.typepad.jp/blog/1_about-site.html

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