Tuesday, April 27, 2010

ささやかな日々

いろいろ声を掛けていただいて、本当にありがたいと思っております。

四月に入り、授業準備をはじめ、大学関連のことに忙殺されています。



例えば、今日は結婚論に関する一般教養的な(哲学に特化しない)講義が1コマ。
先週が『アベラールとエロイーズ』で、今週は『トリスタンとイズー』。
今年度新しく始めたものなので、毎週準備が大変。

終わるとすぐにギリシア語の個人授業を学生y君と一緒に受けている。
それも三時間みっちり…。

明日は2コマゼミがありますが、その前に、特別講義としてある授業で、
自分の留学体験と国の紹介などを話すことになっているので、今はその準備。
"Bienvenue chez les Ch'tis"という
フランスの大ヒット映画を使おうと思っているのですが、場面を選ぶのに時間がかかる。
あと、留学時代の写真。適当に話せばすぐ時間は過ぎますが、
なるべく実のある話をしたいと思うと、なかなか難しい…。

五月半ばにも一つ話さねばならない。いわゆる「研究」以外のことを、それなりにうまくこなしていくこと。挑戦(ごくささやかな挑戦だけど)は続く。

Wednesday, April 21, 2010

【改訂最新版】ジャン・ボベロ教授講演会のお知らせ

三浦信孝先生よりお知らせが参りましたので、掲載しておきます。


ジャン・ボベロ教授講演会のお知らせ
中央大学が外国人研究員として招聘するパリ高等研究院EPHE名
誉学長Jean Baubérot教授の講義・講演会を以下のように開催します。それぞれの大学でお迎えいただく先生方に深く感謝いたします。
ボベロ教授の著作リストは膨大ですが(略歴添付参照)、邦訳で簡単に入手できるものに『フランスにおけるライシテの歴史』(三浦信孝・伊達聖伸訳、白水社文庫クセジュ、2009 )があります。
laïcitéは非宗教性・脱宗教性・世俗性・政教分離などと訳されてきましたが、いまやライシテが訳語として市民権を得つつあります。ライシテは憲法原理にもなっており、フランス共和国の成立とアクチュアリテを理解する鍵です。ボベロ教授はライシテを「フランス的例外」とせず、政教関係の国際比較(日本を含む)をなさっています。
時間の許す限り多数お出かけください。

5月19日(水)11時「西洋におけるキリスト教社会の成立(1世紀~15世紀)」中央大学八王子キャンパス3号館3454(三浦)
5月20日(木)11時「西洋におけるキリスト教社会の世俗化(
15世紀~21世紀)」中央大学八王子キャンパス3号館3455(三浦)
5月21日(金)13時「ケベックにおけるaccommodements raisonnables : ブシャール=テイラー報告をめぐって」

           明治大学和泉校舎第1校舎4階414教室(小畑精和教授)
5月24日(月)17時「死――宗教と医学のあいだ」

           東京大学本郷キャンパス法文1号館219番教室(島薗進教授)
5月27日(木)18時「第5共和政におけるライシテの変容(1958-2010)」
           日仏会館ホール(主催 フランス事務所Marc Humbert代表、協力 東北大学・辻村みよ子教授)
5月28日(金)14時「ナショナル・アイデンティティとライシテ」
           早稲田大学小野記念講堂、早稲田キャンパス27号館地下2階(フランス語教育学会講演・三浦)

中央大人文科学研究所「総合的フランス学の構築」チーム主査・三浦信孝

Sunday, April 11, 2010

ベルクソン技術論

少し前にカテリーナ・ザンフィのイタリア語のベルクソン技術論を紹介しましたが、
彼女がラファエル・エントーフェンと一緒にベルクソン、シモンドンについて語っています。
数日間、観ることができますので、よろしければどうぞ。

Saturday, April 10, 2010

チャレンジ

4月9日、現代フランス政治哲学読書会@本郷。東京にいた頃は毎回出席していたが、福岡に来てから初の参加(たぶん)。

宇野重規先生による、ピエール・マナン『政治哲学入門講義』(Pierre Manent, Cours familier de philosophie politique)紹介。はっきり言って、日本でこの手の話を聴けるほぼ唯一の場ではないかと思う。宇野重規先生が五月から研究留学でイギリスへ一年行かれるとのことで、読書会後は、歓送会。

ちなみに来年、このグループの何人かで、白水社から政治と宗教をめぐる論文集を出す予定。「19世紀フランス思想史における社会統合」をテーマにして宗教を扱うことが決まっている。

私はまったくの門前の小僧なのだが、終章で「宗教的なものの行方」と題して執筆するらしい。「できればそれまでの諸論文の内容を受けるかたちで19世紀宗教思想を簡単に(?)概観したうえで20世紀あるいは今後の「宗教的なもの」について論じていただくというかなり大胆なもの」を希望されている。うーむ、まあ自分に対するチャレンジですね…。

Thursday, April 08, 2010

先生稼業

今日本格的に大学の授業が始動。これからまた、長い一年が始まる。

今年の大きなテーマは「適度に抜く」。手を抜く、ということではもちろんない。

うまい寿司は固く握ってはダメで、適度に空気を含んでいなければならないという。フランス語で言うaéré(空気の流通のよい、構造が密でない、透いた、余白のある、空気のように軽い)、である。

いい授業とは、適度にaéréな授業なのだと思う。去年は、パスカルではないが、真空(空虚)を恐れて、90分間以上喋れる準備をして、授業に臨んでいた。

今年は、学生に考えさせるということ、学生が授業を完成する最後の一手を放つのだという気持ちで、学生に委ねる瞬間を少しでも多く持っていけたらと思っている。誤解のないように繰り返すが、これは手を抜くということとは似て非なる作業である。去年よりもう少し多く学生と面と向かう、ということでもある。

本当に学生と面と向かう、自分の言葉で、自分の考えで相対する、その難しさを理解し、それを恐れないこと。どんな学生の、どんな球種にも対応すること。先生稼業は、傍から見ているほど甘くはない。

Friday, April 02, 2010

その後

エラスムスの4コマも無事終了。

この三カ月で五本執筆は悪くない。かなり疲れたし、使い回しもあるけど…。
(1)1月:デジャヴ論文(日)
(2)2月:紀要記憶論文(日
(3)3月:シモンドン論文(仏)
(4・5)3月:福岡シンポ論文(日・仏)

その後、
4月エラスムス授業準備(終了)→シンポ07論文(仏)添削→新学期授業準備
5月仏文学会WS
6・7月金森科学論論文
8月デリダ翻訳+とある辞典項目(「哲学と哲学教育」「デカルトとパスカル」「リール」)
9月秋の国際シンポ準備
と続く…。